KOMITI TOKYO

2019.02.13

運動の種類で「集中力」はどう変わる?

LIFE

運動の種類で「集中力」はどう変わる?
前回の記事では、「運動により集中力を高める方法」についてまとめました。
→「運動で集中力を高めたい。」の記事はこちら
 
前回の記事で、運動で効率的に集中力を高めるポイントは、
「体の負荷が大きい運動」「ウォーキングよりもランニング」「運動を30分以上継続」
ということが分かりました。
 
「体の負荷が大きい運動」は、筋トレなどを取り入れれば日常で行えると思います。
また、「運動を30分以上継続」するのも、好きな運動であれば大丈夫かな、と思います。
しかし、「ウォーキングよりもランニング」というのは、ちょっとハードルが高いと思いました。
私の場合は、ランニングが苦手なため、この点は難しいです。。
また、ランニングは走り方によっては膝を痛めてしまう心配もあるため、
一般的にもハードルが高い感じがします。
 
それではランニング以外の運動で、集中力を上げる方法はないか??
 
「ウォーキングよりもランニング」が推奨されている理由は、心拍数を上げるためです。

…ということは、心拍数が上がる運動であれば「ランニング」しなくても良いということ!
自分が日常行っている運動でも、心拍数は上がっているはず!
 
今回は、実際に自分が行っている運動で、集中力にどんな変化があるのか?について検証してみたいと思います。

色々な種類の運動で検証

「運動の種類で、集中力がどう変わるか?」を検証するために、
色々な種類の運動を行った後、30分以内にそのまま仕事をしてみました。

 
運動により集中力を上げるには、
「体への負荷」「心拍数の上昇」「運動時間」
がポイント。
まずは各運動で、この3つがどれくらいの割合なのかを評価してみました。

 
そして、運動後の代表的な効果は3つ。
「感覚が研ぎ澄まされる」「集中力が高まる」「心が穏やかになる」。
この3つが運動後にどう変わるのか?
 

集中力への効果が高い運動順に並べてみました!
(自分の好きな運動で検証しているため、種類がかなり偏ってしまいました。。)

1.コンテンポラリーダンス (ダンス50分,ストレッチ40分)

体への負荷  ★★    感覚  ★★★
心拍数の上昇 ★★    集中力 ★★★
運動時間   ★★★   心   ★★★

コンテンポラリーダンスは、全身を引っ張り合う力で、大きく使いながら踊るため、
体への負荷はかなりかかります。
そしてジャンプや床に入る動きもあります。
型にはまった動きではないため、動きを習得するまでにかなり頭を使います。
音楽は雰囲気として流れていますが、音楽に合わせるダンスではありません。
流れている音楽の雰囲気を感じ、自分の感覚で動きます。
少し踊るだけでも、息が上がるような運動量です。
 
全ての運動で、一番効果を感じました。

2.ジャズダンス (ダンス50分,ストレッチ40分)

体への負荷  ★★    感覚  ★★
心拍数の上昇 ★★    集中力 ★★★
運動時間   ★★★   心   ★★★

ジャズダンスは、音楽のリズムにあわせて動きを乗せていくダンスです。
全身を引っ張り合う力で大きく動かし、ジャンプやターンも入るので、息が上がる運動量です。
 
コンテンポラリーより、感覚の部分で少し劣りますが、
大きな効果を感じました。

3.バレエ (踊り40分、バーレッスン50分)

体への負荷  ★★     感覚  ★★
心拍数の上昇 ★★     集中力 ★★★
運動時間   ★★★    心   ★★★

音楽にあわせてジャンプやターンなどの技術を使い、踊ります。
全身を引っ張り合う力で、大きく使いながら踊るため、
体への負荷はかなりかかります。
息が上がる運動量です。
 
こちらも集中力の点では、大きな効果を感じました。

4.競歩くらいの早歩き (30分〜60分)

体への負荷  ★     感覚
心拍数の上昇 ★★    集中力 ★★
運動時間   ★★    心   ★★★

少し息が上がる程度の運動量。
 
集中力は上がりましたが、感覚の部分では効果を感じませんでした。

5.HIIT(高強度インターバルトレーニング) (75分)

体への負荷  ★★     感覚
心拍数の上昇 ★★     集中力 ★★
運動時間   ★★★    心   ★★

同じ動きを20秒×8セット続けるトレーニング。
4セット目くらいで、かなり体に負荷がかかってきて、息が上がります。
 
こちらも集中力は上がりましたが、感覚の部分では効果を感じませんでした。

6.フェルデンクライス (75分)

体への負荷        感覚  ★★
心拍数の上昇       集中力 ★
運動時間   ★★★   心   ★★

フェルデンクライスは、身体に心地よい反復的な動きをしながら身体への気づきを促す
身体訓練による自己開発法です。
全身の骨格や筋肉がどのように連携しているのか、動きながら観察します。
観察することにより脳が活性化し、自然で質の高い動きを身につけることができます。
 
レッスン中は激しい動きはないのですが、脳が活性化されているためか
頭がとてもすっきりする感覚がありました。

7.ジャイロキネシス (90分)

体への負荷  ★     感覚  ★
心拍数の上昇 ★     集中力 ★★
運動時間   ★★★   心   ★★

ジャイロキネシスは、心地よく流れるように曲線を描きながら動き続けるエクササイズです。
体の隅々まで意識を向け、動きと呼吸をリズミカルに調和させながら動きます。
ケガのリハビリテーションから開発されているため、
体に負担をかけることなく、体幹を鍛え、全身のバランスを整えることができます。
動き続けるので、少し息が上がる運動量です。

 
集中する効果を感じました。

8.自転車 (30分)

体への負荷  ★★    感覚  ★
心拍数の上昇 ★★    集中力 ★★
運動時間   ★     心

短時間でも集中力が上がる感じがありました。
しかし道を走っているため、ストレスがかかるせいか
心はすっきりしませんでした。

9.バレエ(バーレッスンのみ) (60分)

体への負荷  ★     感覚  ★
心拍数の上昇 ★     集中力 ★
運動時間   ★★    心   ★★

バーレッスンのみでは、息が上がるほどの運動量はありません。
全身を引き上げながらゆっくり動くので、体に負荷はかかります。
 
心がすっきりとして、集中力は少し上がりますが、大きな効果は感じませんでした。

10.ゆっくりなウォーキング (60分)

体への負荷        感覚
心拍数の上昇       集中力 ★
運動時間   ★★    心   ★★★

ストレスが発散されて、明るい気持ちになる感覚はありました。
しかし、体が疲れないためか、集中力に大きな変化はありませんでした。

11.常温ヨガ (90分)

体への負荷  ★     感覚
心拍数の上昇       集中力 ★
運動時間   ★★★   心   ★★★

瞑想状態に入るので頭がすっきりして、心が穏やかになります。
瞑想でリラックスするためか、集中する効果はありましたが、
感覚が研ぎ澄まされる効果はありませんでした。

12.ピラティス (60分)

体への負荷  ★     感覚
心拍数の上昇       集中力 ★
運動時間   ★★    心   ★★

マット、マシン共に、呼吸と体に集中するので軽い瞑想状態に入ります。
体への負荷は、筋トレと同じくらい。
 
すっきりしますが、集中力については少し上がる程度でした。

13.自己流の息が上がる筋トレ (30分以上)

体への負荷  ★      感覚
心拍数の上昇 ★      集中力 ★
運動時間   ★      心   ★

自己流で行っているので、HIITのように研究されたトレーニングでないためか、
大きな効果は感じませんでした。

14.ホットヨガ (60分)

体への負荷  ★     感覚
心拍数の上昇       集中力
運動時間   ★★    心   ★

過酷な状況で体が疲れすぎるせいか、少しすっきりする程度でした。

検証結果

● 脳全体にとって一番効果があったのは、「ダンスの要素」が入る運動
 

筋力トレーニングや競歩、自転車よりも、
ダンスの要素が入る方が、脳全体にとって良い結果となりました。

そして、不規則なリズムのコンテンポラリーダンスが1番。
音楽に合わせて踊るジャズダンスやバレエが2番。
心拍数が上がる競歩はその次。
ヨガやピラティスなどは、そこまで大きな効果を感じませんでした。
 
同じダンスでも、コンテンポラリーダンスとジャズダンスを比較すると、
「コンテンポラリーダンス」の方が、3つの効果を大きく感じました。
ジャズダンスも他の運動よりは大きな効果を感じましたが、
「感覚が研ぎ澄まされる」効果がコンテンポラリーダンスよりも少なく感じました。
 
そして「心拍数を上げて体に負荷をかけて動くだけ」よりも、
「心拍数を上げて体に負荷をかけて動く+ダンスの要素」が入った方がよい結果となりました。
また、ヨガやピラティスのように、運動時間は長くても「心拍数が上がらない運動」では
集中力に関しては、あまり大きな効果を感じませんでした。

検証結果から、さらなる疑問が。。

今回の結果では、「ダンスの要素」が入ると脳にとって一番良い結果となりました。

しかし、心拍数の上昇や体への負荷は、
「競歩」「HIIT(インターバルトレーニング)」「自転車」も同じくらい。
それなのに、なぜ「ダンスの要素」が入った方がさらに効果があるのか。。??
 
そこで、競歩・HIIT・自転車とダンスを比較してみると…
「動き」が違うことが分かります。
 
競歩・HIIT・自転車は、「簡単な動き」
足を前に出す、上半身を上げるなど、考えなくてもできる動きを繰り返す。
ダンスは、「複雑な動き」
動きの型を習得したり、考えたりしながら動く。
この「複雑な動き」が、脳に作用しているのでは…?

そこで「脳と動きの関係」について、さらに調べてみることにしました。
 
「脳と動きの関係」については、次回に続きます!
 
→「「有酸素運動+複雑な動き」で脳を刺激!」の記事はこちら

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