KOMITI TOKYO

2019.04.29

【雑司が谷】「思い出が蘇るカフェ」キアズマ珈琲。

CAFE TOKYO

休日のある日。久しぶりに豊島区の「雑司が谷」へ。
 
今日は都内でゆっくりお散歩などをして過ごしたい気分の日。
しかし休日はどこに行っても大体混んでいます。
そこで頭に浮かんだのが「雑司が谷」でした。
 
「雑司が谷」は10年以上前、地下鉄の駅が出来る前に少し住んでいたことがあります。
有名な観光地ということもなくマニアックな場所なので、休日でも混んでいない。
そして鬼子母神神社や夏目漱石などの墓がある雑司が谷霊園、
また、その当時通っていた洋食屋さんなどもあり、休日のお散歩には最適。
 
住んでいた当初が懐かしい思いと、鬼子母神の寛大な空気を久しぶりに感じに行きたい。
そんな気持ちで雑司が谷へと向かうことにしました。

 
地下鉄の雑司が谷駅を降りて、鬼子母神神社へと続く参道を歩きます。
雑司が谷 鬼子母神 参道
参道の颯爽とした空気は今も変わらず、とても清々しい。
住んでいた当時は、参道沿いはほとんどが民家でした。
しかし、1軒気になる新しいお店が。
 
キアズマ珈琲。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
参道の雰囲気に溶け込むように佇んでいます。

古民家風の格子窓の入り口から、微かに店内の様子が伺えます。
のんびりと落ち着いた雰囲気の店内には、何組かのお客さんが静かにコーヒーを楽しんでいます。

ちょっと早いですが、ここで一休みすることにします。

 
休日のためか、お店に入ると1階はほぼ満席。
細くて段差のある階段を一段一段気をつけながら、2階の席へ。
気を抜くと転げ落ちてしまいそうな緊張感が、なんだかワクワクします。

雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
階段を上がると、白と木目が基調の店内。
席の配置も贅沢で、程よい距離感があります。
 
少し奥に行くと4畳半くらいのスペース。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
壁一面が赤色にペイントされていて、ガラッと変わった雰囲気。
覗き込んだ先に、違った小部屋がある。
予想もしなかった光景と、明るい赤色ペイントに気分が上がります。
 
そして店内の細部に目を向けると、様々なこだわりが。
 
鉄のオブジェ。こちらも手作りのこだわり。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
そして立てかけられたキャンパス。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
考えることを強制されず、アトリエのようなお店の雰囲気を底上げしていて、とても落ち着く。
 
そしてテーブルにさりげなく置かれている小物たち。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
小物も主張することなく、機能的。
その中の一輪の黄色い花に目を惹かれます。
しかし景色にすっとなじんでいて、ぼーっと見つめてしまう。
この絶妙なバランスが、頭を空っぽにさせてくれる感じがします。
 
そしてお待ちかね。1階からコーヒーとケーキが運ばれてきました。
 
コーヒー。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲 コーヒー
コーヒーは、雑味がなく後味すっきり。

 

そして、カフェ・オ・レ
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲 カフェオレ
雑味がないコーヒーとミルクが半々の割合のカフェ・オ・レ。
コーヒーが主張せず、ミルクの甘みでとてもまろやか。
昔、地元の喫茶店で良く飲んでいたカフェ・オ・レをふと思い出しました。
受験勉強をしたり、友達と恋愛話をしたり。。
毎日のように通っていたなぁ。。

 
さいごに、チーズケーキ
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲 チーズケーキ
チーズケーキはレモンなどの装飾もなく、クリームチーズ・卵・砂糖・小麦粉のシンプルな構成。
甘すぎず、素材の素朴な味が引き出され、毎日食べても飽きのこない優しい味。
体をおもいやってくれているような丁寧さが伝わってきます。

 

昔、母と作ったチーズケーキを思い出しました。
同じようにクリームチーズ・卵・砂糖・小麦粉のシンプルな構成。
ケーキの底にはマリーのビスケットを砕いて敷き詰め、
焼く前に、表面にマーマレードジャムを塗る。

キアズマ珈琲のケーキと味は全然違いますが、
母と作ったチーズケーキも、「丁寧に作られた優しいケーキ」だったことを思い出しました。

 
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
他のテーブルを見渡すと、置かれているメニューはすべて違うデザイン。
そしてカップも、一人一人違う。
ひとつひとつカップを選び、丁寧にコーヒーを注いでいる様子が浮かんできます。

雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲
コーヒーもチーズケーキも、とことん素朴でシンプルなこだわり。
店内も古民家の雰囲気を活かし、体に馴染むように暖かくシンプル。
しかしシンプルな中にも、カップのデザイン・メニュー・インテリアなどに、どこかピリッと心地の良いアクセントがある。
 
体に馴染むシンプルさと、心地よいアクセント。
この絶妙なリズムの良さが、頭を空っぽにする。
そして暖かく優しくて、懐かしいシチュエーション。
こんな空間だからこそ、昔のことを思い出したのかもしれません。
 

最後に1階のようすをパチリ。
雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲 カウンター
おいしいコーヒーとチーズケーキ、ごちそうさまでした。
 
 

次々と新しいビルが増える東京。
そのビルの質感に合うように、モダンな雰囲気のカフェが増える。
そんな中、キアズマコーヒーは、昔ながらの参道の古民家に店を構え、
参道の魅力を最大限に発揮するような、ものづくりをしている。

ひとつひとつ心を込めて選ばれたものに囲まれているから、すっと体になじむ。

場所にあったものづくりの大切さを、あらためて実感しました。
 
キアズマ珈琲は私にとっては、「思い出が蘇るカフェ」でした。
人によってきっと感じるものは違うんだろうけど、
心地よい丁寧な空間の中で、何か感じるものがあるかもしれない。

雑司が谷 鬼子母神 参道 キアズマ珈琲

キアズマ珈琲 / 東京 雑司が谷

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