灼熱の香港。
ジメジメと暑い中、「THE COFFEE ACADEMIC」に辿り着きました。
混沌とした香港の異国情緒溢れる街並みにありながらも、
主張することなく、凛とした店構え。
ガラスの入り口越しに、中を覗いてみると、
隙のないムードが漂う。
お店に入る前から、期待値が上がります!
そして早速お店の中へ。。
ショーウィンドウに並ぶ、カラフルで表情豊かなケーキたち。
少し奥に行くと、日本のカフェではなかなか見られないような
コーヒーの焙煎機。
席に着く前から、そこかしこにお店のこだわりが溢れています。
そして、お店のクールな雰囲気に合った店員さんが、
窓際の席を案内してくれました。
暑い気候のアジアらしく、窓が大きく開いていることに感動!
香港の気候や空気感を感じられて、とても気持ちいい。
ジメジメしてるし虫も大きいけど、
なんかアジアってそこが良いのよね、
などと、アジア気分にしばし浸る。。
そうこうしている間に、コーヒーが到着!
コーヒーは丁寧にビーカーに入っております!
こんな粋な演出も、すべてに隙がないから成り立つのですね。
続いてカフェラテが到着。
ミルクとエスプレッソの配合が絶妙。
安定のおいしさです。
そしてバナナタルトが到着。
この一皿には、感動しました!
お皿の中で、絵画のようにひとつの世界が完成している!
食べるのを躊躇してしまうほどの完成状態。
まずは全体を食べる前に、タルト生地を食べてみます。
なんと!タルト生地が甘くない!
今まで食べたタルト生地は、砂糖などの甘みが加えられていて、
生地もサクサクでした。
しかしこのタルト生地は、カカオ本来の風味豊かな苦味が効いていて甘くない!
そして、サクサクではなく、しっとり食感!
まるで全体に荒波を立てないように、謙虚に存在しております。
そして、その中に入っているクリーム。
バナナ本来の甘みがふわっと香り、なんとも優しいクリーム。
「上に乗っているバナナよりも、甘くはなりません!」
と、まるで引き立て役に徹するかのような佇まい。
生地もクリームも手間暇かけて仕込まれているのが想像できるほど、
素材の味が引き出されています。
一緒に食べたときの、繊細に口に広がる絶妙なバランス。
一つのケーキをここまでこだわり抜いて作っていることに、
お店のクリエイティブに対する姿勢を感じました。
店内、店員さん、コーヒーへの姿勢、ケーキ、、、
すべてにおいて一つの世界が形成されています。
多民族国家。
そして、長いイギリスの植民地時代。
このような不安定な状況から、
クリエイティブへのこだわりが生まれているのでしょうか。
不安定であることも、魅力のある国「香港」を作っている
要素のひとつなのかな。
日本にもこんなにクリエイティブで隙のないカフェがあれば、
毎日でも訪れたい。
帰りたくない気持ちを抑えながら、お店を後にしました。
THE COFFEE ACADEMICS / コーヒーアカデミクス / 香港