KOMITI TOKYO

2019.10.02

【キャンプ】キャンプでステーキを食べながら思うこと。

CAMP

キャンプ 料理 ステーキ
キャンプ場に到着して車から降りた途端、心も体も開放される。
森の空気を吸い込み、「はぁ〜。」と大きく背伸び。

「まずはビール!」
テントの設置は後回しにして、いつもはそんなに飲まないビールが飲みたくなる。
もうこの瞬間が最高!
この瞬間のためにキャンプに来てるんじゃないか、と思うくらいに大好きな時間。
ビルに囲まれた環境から、森に囲まれた大自然の中へ。
そのギャップからなのか、動物的な面が一気に開放される。
 
「お肉も焼いちゃおう。」
いつもはそんなに食べたいと思わないお肉まで食べたくなる。
しかもキャンプでは、お肉をステーキで丸ごと食べたくなる。
 
バーナーにフライパンをセット。
牛肉に塩胡椒して、温めたフライパンに投入。
キャンプ 料理 肉 スノーピークsnowpeak フィールドクッカー
表面に焦げ目がつくように焼いたら、お肉を裏に返してワインをひとまわし。
そして蓋をして肉の旨みをじっくり閉じ込める。

 
焼きあがったら熱々のお肉を丸ごとお皿へ。
キャンプ 料理 ステーキ
ナイフをお肉に差し込むと、しっかり閉じ込められた肉汁がジュワッと溢れ出す。
フォークでお肉を口に運び一口食べた瞬間、もう笑いが止まらない。
「美味しすぎる!」
最大限に引き出されたお肉の旨味に脳が支配され、頭の中がキラキラと星でいっぱいになる。
全身の力が抜け、味覚しか機能していない状態。
この瞬間は、お肉を味わうためだけに自分は存在しているんじゃないかと思ってしまう。
 
塩胡椒をしてワインで蒸しただけのお肉がこんなに美味しくなるなんて。。
自然の中で心身ともに解放された状態で食べているためなのか、
もうなんとも言えない美味しさを毎回味わう。
キャンプ 料理 ステーキ
カットされているお肉は切る手間がなく楽ですが、お肉は丸ごとの方がより深く味わえる。

その日の気分で、レア、ミディアム、ウェルダン、好きな焼き加減に。
そして食べたい箇所を食べたいだけカットして、端と真ん中の味わいの差を楽しむ。
手でお肉の硬さを感じながらナイフでギコギコしていると、「切りづらいな」と思う反面、同時に「お肉をいただいているなぁ。」としみじみありがたさがこみ上げてくる。
 
キャンプ中は、森の中で暮らすたくさんの生物と隣り合わせ。
散歩していると、タヌキや鹿、猿などの動物に出会う。
足元では、蟻が餌をせっせと運んでいる。
料理をしていると、ハチやハエが美味しい匂いに集まってくる。
油断しているとブヨやノミに刺されたり。。
夜はたくさんの蛾が光に集まり、焚き火の中に自ら入っていく。
そして夜は動物に食べ物を狙われるため、寝る前に食べ物をテントにしまう。
…こんな風にたくさんの生物が生きていくために食べ物を求めて暮らす姿を、身近に感じて自分も生活する。

キャンプ 森 自然
「今自分が食べている牛肉は、どうやってここに来たんだろう?」
生産者により大切に育てられた牛。解体され、検査され、セリにかけられて肉屋へ。それを自分が買い、こうして美味しくいただいている。
自分一人の力では、今ここで食べることはできない。
そして何かひとつ欠けてしまえば、ここに存在しない。

 

キャンプでは自生のクレソンや山菜を採って食べることもある。
クレソンや山菜も、いくつもの奇跡が重なりここにある。

自生のクレソンが育つだけの綺麗な水が流れていて、そこが浅瀬。
春の暖かい時期にクレソンが無事育ってくれた。
そして私がこの場所でクレソンを見つけた。
こんな積み重ねがあり、ここでクレソンを食べることができる。
 
どんなことも奇跡の積み重ねでここに存在する。
キャンプに来ると、自然とこんな風に「縁起」を考える。
「すべての存在は、お互いに関わり合って存在している。単独で存在することはない。」
だからこそ、お肉をいただくことに対してより感謝の気持ちが湧いてくる。

キャンプ 森 植物

日常に追われ気持ちが落ち着かないときは、まずは立ち止まり、目の前のものをじっと見つめてみようと思う。
「これはどうやってここに来たのかな?」と考えてみると、
生物、植物、感情、天候、場所、土地、、、、切りがない程の無数の関わり合いがみえてくる。
そして「どんなものも単独で存在することはない」ことを実感する。
 
それは「人」も同じ。
奇跡や出会いなど無数の関係性の中で、自分は生まれてここに存在している。
そして目の前の人とこうやって出会えて同じ時間を共有できていることは、本当に奇跡。
そんな風に見つめていると、なんだか心がじんわり温かくなってくる。
そしてより深く感謝の気持ちが湧いてきて、この瞬間を真剣に生きようと思う。

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